2025-08-19
相続人が複数いる場合、被相続人の不動産を誰が取得するか話し合う必要があります。
しかし、相続税の支払いなどで早急に不動産を売却しなければならないケースもあるでしょう。
このような場合、遺産分割が済んでいない不動産を売却することは可能なのでしょうか。
今回は、遺産分割協議前に相続不動産を売却できるのか、売却する際の手順や注意点について解説します。
鹿児島市で不動産の相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。
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被相続人が亡くなると、状況に応じて遺産分割協議が必要になります。
たとえば、相続人が2人以上いるものの、遺言書がなく遺産の分割方法に指定がない場合などです。
また、遺言書が残されていても、記載内容に相続人全員が納得できない場合にも協議をおこなう必要があります。
本来であれば、遺産分割協議をして不動産の相続人を決め、その方が売却や活用をおこないます。
しかし、「相続税の支払いに充てたい」などの理由で、早急に不動産を売却しなければならないケースもあるでしょう。
このような場合、遺産分割前でも相続人全員の合意があれば、不動産の売却は可能です。
相続不動産は、遺産分割協議が完了するまでの間、相続人全員が法定相続分に応じて共有している状態となります。
共有状態にある不動産を売却するには、共有者である相続人全員の同意が必要であり、1人でも反対する方がいれば売却はできません。
また、被相続人名義のままでは売却手続きはおこなえないため、売却に先立って相続登記をおこない、不動産の名義を相続人に変更する必要があります。
遺産分割前に売却された不動産は、原則として遺産分割の対象には含まれません。
これは、昭和52年9月19日の最高裁判決においても、「遺産分割前に売却された不動産およびその売買代金債権は、遺産には該当しない」と明示されています。
本来、遺産は相続開始時点で相続人全員の共有となり、遺産分割協議を経て、各相続人に分配されるのが一般的な流れです。
しかし、不動産を遺産分割前に売却した場合、特別な取り決めがない限り、その不動産や売買代金は遺産分割協議の対象外となります。
したがって、協議が成立する前であっても、相続人は法定相続分に応じて売却代金を受け取ることが可能です。
相続人全員の同意を得ずに相続不動産を売却した場合、他の相続人から損害賠償を請求されるおそれがあります。
先述したように、遺産分割が完了する前に相続不動産を売却するには、すべての相続人の同意が必要です。
もし、同意を得ないまま一部の相続人が不動産を勝手に売却した場合、その行為は民法上の不法行為に該当します。
そのため、同意していない相続人は、不法行為に基づいて損害賠償を求めることが可能です。
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遺産分割協議前に相続不動産を売却するには、いくつかのステップを順を追って進める必要があります。
主な流れは以下のとおりです。
まずは、誰が相続人となるかを確定しなければなりません。
たとえば、被相続人に離婚歴がある場合、前配偶者との間に子どもがいる可能性があり、相続人の範囲が複雑になることがあります。
相続人を確定するには、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」を取得する必要があります。
戸籍謄本には、結婚歴や子どもの有無などが記載されているため、これをもとに誰が相続人に該当するのかを調査しましょう。
相続人を確定したら、全員から物件売却の同意を得る必要があります。
その際、口約束ではトラブルになる可能性があるため、必ず同意している旨が分かる書面を作成してください。
また、後で揉めないよう、売却益の分配方法についても相続人全員で話し合い、書面に残しておくことをおすすめします。
もし、売却に反対する方がおり、説得が難しいと感じる場合は、不動産関係に詳しい弁護士に相談することも検討しましょう。
第三者の専門家を介することで、円滑に話が進むケースも少なくありません。
被相続人の名義のままでは不動産は売却できないため、相続登記(名義変更)をおこなう必要があります。
相続登記は「単独名義」または「共有名義」のどちらかで手続きをおこないますが、おすすめは単独名義での登記です。
相続登記をおこなう前に代表者が決まっている場合、その代表者一人で売却に関する契約手続きを進めることが可能です。
単独名義であれば他の相続人から委任状を取り付ける必要がなく、登記が完了すればすぐに売却手続きに入れます。
あらかじめ不動産の売却方針が固まっているのであれば、早めに代表者を選任し、単独名義での相続登記をおこないましょう。
相続登記が完了したら、不動産会社と売買契約を結び、売却活動に入ります。
相続登記を単独名義でおこなった場合は代表者1名が、共同名義の場合は相続人全員が媒介契約書に署名・捺印する必要があります。
買主が見つかったら売買契約を結び、決済日に代金を受け取ったのちに物件を引き渡す流れです。
買主から受け取った代金については、特別な合意がなければ法定相続分に応じて分配されます。
売却代金を遺産に含める合意がある場合は、遺産分割協議後に協議内容に従って分配されるのが一般的です。
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最後に、遺産分割前に相続財産である不動産を売却する際の注意点について解説します。
相続した不動産を売ったあとで、被相続人の遺言書が見つかるケースがあります。
しかし、不動産の所有権移転登記がすでに済んでいれば、買主からその不動産を取り戻すことはできません。
単独名義で相続登記をすると、登記識別情報は申請した方の分だけ発行されます。
これは、以前の登記済権利証に代わる、不動産の名義人であることを証明する大切な書類です。
相続人全員で共同申請すれば、全員分の登記識別情報がもらえますが、単独申請の場合は申請者以外の相続人には発行されません。
登記識別情報は不動産を売るときに必要なので、持っていない相続人は売却の際に代わりの書類を用意する手間がかかります。
遺産分割前に不動産を売却する場合は、相続人全員で合意書を作成しておきましょう。
売却代金は原則として法定相続分に応じて分配されますが、生前贈与の有無や費用負担の状況によっては不公平が生じることもあります。
そのため、「売却代金を遺産に含めて遺産分割協議で分ける」などの合意内容を文書に残しておくと安心です。
また、仲介手数料や測量費用などの負担割合も明確にしておくことが大切です。
トラブル防止のためにも、合意書は証拠力の高い公正証書で作成することをおすすめします。
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相続人全員の同意があれば、遺産分割前に不動産を売却することは可能で、売却代金は原則として法定相続分に応じて分配されます。
売却前には相続登記(名義変更)が必要なため、単独名義にするか共有名義にするかを話し合って決めましょう。
後のトラブルを避けるためにも、相続人全員で売却に関する合意書を作成し、費用負担や分配方法などを明確にしておくことが大切です。
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