2023-11-21
相続の発生時、取得する財産は相続人同士で平等にわける必要があります。
しかし、寄与分の請求が認められた場合、ほかの方より多く財産を取得できるかもしれません。
なかには、1,000万円以上多く取得分が増えたケースもあります。
今回は寄与分とはなにか、認められる要件や特別寄与料について解説します。
鹿児島市で土地や建物を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、寄与分とはなにかについて解説します。
寄与分とは、被相続人の財産の増加や維持に貢献してきた方が、一定以上の財産を取得できる制度です。
介護や看護、おこなっていた事業に長いあいだ無償で携わっていた場合、法定相続分どおりの相続では公平性に欠けてしまうことがあります。
そのため、どのくらい貢献したかに応じて、相続分をプラスすることが可能です。
寄与分には、実は相場がありません。
明確な基準が定められておらず、かつ個別の事情によって主張することになるからです。
一般的には遺産分割協議にて、金額を決めることになります。
遺産分割協議とは、誰がどの財産をどのくらいの割合で取得するかを、相続人全員で話合うことです。
もし遺産分割協議で話し合いがまとまらない場合は、調停に進むことになります。
家庭裁判所では、金額を下記のように決めた事例があるので、ひとつの目安として参考になさってください。
事業従事型とは、被相続人の事業を無償で手伝っていたケースです。
「寄与者が受け取るべき給与額×(1-生活費控除割合)×寄与した年数」で計算します。
金銭出資型とは、被相続人に対して金銭などの給付をおこない、財産の増加や維持に貢献したケースです。
「贈与した金額×貨幣価値変動率×裁量的割合」で、寄与分を計算します。
療養看護型とは、被相続人の介護や看護をしていたケースです。
計算方法は「介護した方の日当額×療養看護日数×裁量的な割合」となります。
扶養型とは、被相続人を扶養し、生活の面倒を見たり支出を抑えたりしたケースです。
「負担した扶養額×期間×(1-寄与相続人の法定相続分割合)」で計算します。
財産管理型とは、被相続人の不動産などを管理し、財産の増加や維持に貢献したケースです。
財産管理型に該当する場合は「管理や売却手続きなどを第三者に委任した場合の報酬額×裁量的な割合」で、寄与分を計算します。
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続いて、相続で寄与分が認められる要件について解説します。
認められるためには、次の5つの要件を満たす必要があります。
まず、相続人であることが挙げられます。
寄与分が認められているのは、原則相続人のみです。
被相続人の事業に対して、相続人ではない方が資金を援助していても、請求することはできません。
ただし、特別な事情や関係性がある場合は、要件を満たしていると判断されるケースもあります。
被相続人の財産の増加や維持に貢献していたことも、要件のひとつです。
たとえば、24時間体制の看護により、医療費などの費用を抑えることができます。
その結果、財産の維持や増加につなげることが可能です。
看護していたことや、経緯がわかるような資料を揃えておくと良いでしょう。
寄与分が認められるためには、寄与行為を無償でおこなう必要があります。
財産の増加や維持に貢献していても、お金やものをもらっていた場合は対象外です。
また、親族であれば当然の行為であるようなことは、認められない可能性があります。
貢献していた期間が一定以上あることも、要件のひとつです。
病気やケガの看病や被相続人の介護や看護を、一定期間以上おこなっていることが要件となります。
ただし、一定の期間以上の定義については法律上の定めがありません。
そのため、貢献していた期間を考慮し、対象になるかどうかを検討する必要があります。
数日程度の場合、認められないことが多いと言えるでしょう。
特別寄与をおこなったことも、要件のひとつとなります。
ただし、特別寄与がどのようなものに該当するのかは、法律で定められていません。
そのため、相続人同士の協議によって決定します。
寄与行為には、先述した5つの型(事業従事型・金銭出資型・療養看護型・扶養型・財産管理型)があります。
主張するためには、寄与行為に該当する必要があります。
寄与分の請求には時効はありません。
しかし、遺産分割協議がまとまってしまうと、原則変更ができないため、成立するまでのあいだに主張することが重要です。
また、平成30年に創設された「特別寄与請求権」では、請求の期限を相続開始および相続人を知った日から6か月または相続開始のときから1年以内と定めています。
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相続の寄与分における、特別寄与料とはなにかを解説します。
特別寄与料とは、被相続人に対して特別な寄与行為をおこなった、相続人以外の親族に対して支払われるお金のことです。
先述のとおり、寄与分が認められるのは原則相続人のみとなります。
しかし、息子の配偶者など、相続人以外の親族が介護をしていたケースも珍しくありません。
これまでの法律では、配偶者はどんなに被相続人に貢献していても、寄与分を請求できませんでした。
このような事例を解決するため、2019年の民法改正後からは、相続人以外の親族も特別寄与料として主張することができるようになりました。
特別寄与料を主張できる親族は、6親等内の血族と3親等内の姻族です。
そのため、広い範囲の親族が特別寄与料を主張できるようになっています。
内縁の妻や友人、知人は主張できないため、注意が必要です。
特別寄与料における注意点は、下記のとおりです。
注意点としてまず挙げられるのが、特別寄与料は労務の提供のみが対象となることです。
金銭出資型は認められないので、注意なさってください。
また、相続開始から1年、相続人を知ったときから半年という風に、期限が定められています。
その反面、特別寄与料ではない寄与分の主張に、時効は定められていません。
さらに、特別寄与料を取得した場合、相続税が2割加算で課せられることになります。
これは、配偶者と子ども・親以外が財産を受け取る際と同じ規定です。
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相続した不動産を売却するときに覚えておきたい流れや注意点とは?
寄与分とは、被相続人の財産の増加や維持に貢献してきた方が、一定以上の財産を取得できる制度です。
寄与行為を無償で貢献していたことや、一定の期間その行為をおこなっていたことなどが要件となります。
民法改正にともない、相続人以外の親族でも、特別寄与料を主張することが可能となりましたが、期限があることや税金が2割加算されることなどの注意点もあります。
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