2023-03-21
相続が発生すると、財産を相続人それぞれ平等に分ける必要があります。
現金などの場合はスムーズに分割できますが、相続財産のなかに不動産がある場合は、適切な分割方法を選ばなくてはなりません。
そこで今回は、不動産相続における分割方法の1つ「現物分割」について解説します。
メリットや現物分割がしやすいケースもまとめましたので、鹿児島市で不動産を相続する予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、相続における現物分割とはなにかを解説します。
現物分割とはいくつかある遺産分割方法の中の一つで、財産をそのままの状態で相続することです。
性質や形状を変えずに、相続人それぞれが特定の財産を取得することができます。
たとえば、相続した財産が土地、自動車、預貯金の3つだと仮定しましょう。
相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人の場合、Aさんが土地、Bさんが自動車、Cさんが預貯金という形で分割するのが現物分割です。
続いて、土地を分割(分筆)した場合について確認していきましょう。
相続した財産が1つの土地しかなく、相続人が複数いる場合は分筆して相続することもあります。
分筆とは、一つの土地を複数の土地として登記をし直すことです。
土地以外に財産がない場合、相続時に相続人の数に応じて分筆することも珍しくありません。
ただし、分筆による現物分割にはデメリットもあるため注意が必要です。
デメリットや注意点については後述します。
財産の分割方法として、現物分割以外には下記の方法などがあります。
代償分割とは相続人のなかの1人が不動産を取得し、そのほかの相続人に代償金を支払う分割方法です。
相続財産が1つの不動産しかない場合、現物分割では公平に分けるのは難しいでしょう。
代償金によって精算すれば、公平に分けることができるのでおすすめです。
たとえば、相続した不動産の価値が3,000万円で、相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人だったと仮定しましょう。
Aさんが不動産を取得したあと、BさんとCさんにそれぞれ1,000万円ずつ渡すことを代償分割といいます。
次に換価分割とは分割対象の財産を売却し、得たお金を平等に分割することです。
現物分割や、代償金の支払いが難しい場合に適した方法といえます。
どちらも現物分割とは異なる特徴やメリットがありますので、覚えておくと良いでしょう。
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続いて、相続で現物分割を選ぶメリットを解説します。
現物分割のメリットは、手続きが簡単なところが挙げられます。
先述した例のとおり、Aさんが土地、Bさんが自動車、Cさんが預貯金という形で、それぞれが対象の財産を引き継ぐだけです。
そのため、ほかの分割方法に比べてスムーズに手続きできるのが大きなメリットです。
不動産を売却したり、代償金をいくらにするか話し合ったりする必要もありません。
相続をスムーズにおこないたい場合は、現物分割が適しているといえるでしょう。
スムーズに手続きが進むのに加えて、トラブルのリスクが低いことも挙げられます。
現物分割の場合、相続人同士の話し合いにより、誰がどの財産を取得するかを決めるだけです。
相続人全員が納得できれば、相続も円滑におこなえます。
たとえば代償分割の場合は不動産を評価しなければなりません。
評価方法が複数あるため、どの方法を用いるかでトラブルになることがあります。
現物分割なら評価方法で揉めることもないので、相続人同士の関係も良好に保てるでしょう。
公平に見える現物分割も相続人によっては、不公平に感じる可能性があるところです。
現物分割の場合、主に不動産以外の財産を取得した相続人から不満が生じる可能性があります。
理由としては、土地や建物などの不動産は自動車などと比べて資産価値が高くなりやすいからです。
そのためスムーズに分割できるものの、公平に分けるのは難しい分割方法ともいえます。
分割できない財産があることも、デメリットの1つです。
先述したとおり、土地を現物分割する場合は分筆するのが一般的となります。
しかし、条例によって禁止されているエリアもあるため、必ずしも分筆できるとは限らないので注意が必要です。
先述したように、メリットがある反面、デメリットもありますので現物分割する際は相続人同士でしっかり話し合うことが大切です。
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最後に、相続で現物分割しやすいケースとしにくいケースを解説します。
まずは、現物分割しやすいケースについて確認していきましょう。
相続で現物分割しやすいケースは、多様な財産がある場合です。
不動産だけでなく、自動車や預貯金、有価証券や美術品などさまざまな財産があれば、相続人全員がなにかしらの財産を取得することができます。
そのような場合は、現物分割でも不公平になりにくく、トラブルになる可能性も低いでしょう。
土地や不動産以外に、現金や預貯金がある場合も現物分割しやすいケースといえます。
たとえば、相続した財産が3,000万円の価値がある不動産と、現金6,000万円だったと仮定します。
相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人の場合、Aさんが不動産、BさんとCさんがそれぞれ3,000万円を取得すれば公平です。
現金や預貯金があれば、差額を調整できるため、現物分割でもスムーズに相続できますね。
「家業を継ぐAさんに不動産を相続したい」という風に、特定の相続人に財産を集中させたいときは、現物分割が適しています。
相続人全員が納得していることが条件ですが、現物分割でも問題なく分けることが可能です。
次に現物分割しにくいケースも確認していきます。
現物分割しにくいケース1つ目は、建物や美術品など物理的に分けられない財産のみの場合です。
建物や美術品などは土地のように分筆しにくいため、不公平になってしまう可能性があり、現物分割しにくいでしょう。
そのような場合は、代償分割や換価分割など、ほかの分割方法を選ぶことにしましょう。
現物分割によって資産価値が減少してしまう場合も現物分割しにくいケースに該当します。
先述したとおり、1つの土地を分筆すると、接道がない土地が生まれたり建物が建てられない土地が生まれたりするケースも少なくありません。
もともと狭い土地の場合は分筆によってさらに土地が狭くなるため、不公平になってしまいます。
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相続における現物分割は、公平性がありスムーズに進めることができるため、一般的に用いられている分割方法です。
しかし、不公平になってしまう可能性もあるので、状況に応じて代償分割や換価分割を選ぶことをおすすめします。
現物分割しやすいケースやしにくいケースを知っておくと、スムーズな相続につながるでしょう。
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