2023-08-15
建物は定期的にメンテナンスをしていても、いつかは劣化して資産価値も減少していきます。
建物の使用年数や価値などの寿命を表す数値を「耐用年数」といいますが、不動産売却にどう関係するのでしょうか。
この記事では、不動産売却をする際に知っておきたい耐用年数や減価償却について解説します。
鹿児島市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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住宅などの建物は、月日の経過とともに価値が下がっていきます。
不動産の資産価値を測るうえで用いられる基準が「耐用年数」です。
たとえば鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年、木造住宅は22年と定められています。
しかし、これらはあくまでも税務上の基準として設けられた期間であり、建物の寿命とは関係ありません。
木造住宅を建てて22年が経過したからといって、その家に住み続けられなくなるわけではないのです。
ここからは、耐用年数の基準となる3つの考え方について解説します。
物理的耐用年数とは、建物自体が劣化して使用できなくなるまでの期間のことです。
不動産は使用状況によって変化しやすいので、物理的耐用年数を用いることはほぼありません。
一般的にはテレビや冷蔵庫、バッテリーといった家電製品などの寿命を表す際に用いられます。
法定耐用年数とは、不動産の資産価値を公平に算出するために国が定めたものです。
3種類のなかでは、もっともポピュラーな耐用年数といえます。
法定耐用年数は不動産の種類や構造、用途によって一律に決められているのが特徴です。
固定資産税を算出する際にも用いられており、建物の資産価値を判定するための基準となっています。
経済的耐用年数とは、物の価値がなくなるまでの期間を示すものです。
あくまでも「物の価値がなくなるまでの年数」なので、耐用年数を経過したからといって使用できなくなるわけではありません。
経済的耐用年数を算出する際は、劣化具合や建物の機能に限らず、今後見込まれるメンテナンス費用なども加味されます。
よく物理的耐用年数と混同されがちですが、物理的耐用年数は「物が壊れるまでの年数」であり、意味合いが異なります。
物理的耐用年数よりも算出しやすいものの公平性に欠けるため、不動産の耐用年数を決める際は法定耐用年数を用いるのが一般的です。
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不動産売却では法定耐用年数が用いられますが、これは建物のみに適用されます。
土地は月日の経過とともに劣化したり、価値が下がったりしないと考えられているためです。
法定耐用年数は物件の種類や構造ごとに異なるため、事前にチェックしておきましょう。
新築の木造一戸建てにおける耐用年数は22年です。
1年経過するごとに、資産価値が大幅に減少するという特徴があります。
たとえば、建物価格が2,200万円の木造一戸建てを購入したとしましょう。
この場合、1年経過するごとに100万円ずつ資産価値が減少し、22年後には価値がほぼない状態になります。
木造一戸建てはマンションなどに比べて、1年あたりの資産価値の下落が大きいと考えておきましょう。
同じ木造住宅であっても、新築と中古とでは計算方法が異なるため注意が必要です。
中古一戸建ての場合は、以下の計算式で耐用年数を算出します。
(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
たとえば、築10年の木造一戸建てを購入した場合、耐用年数は「(22年-10年)+10年×20%=14年」です。
単純に法定耐用年数から築年数を差し引くのではない点にご注意ください。
なお築年数が法定耐用年数を超えている場合は、「法定耐用年数×20%」という計算式を用います。
つまり、22年を超えた中古の木造一戸建てを購入した場合、計算式は「22年×20%=4年」で、耐用年数は一律4年となります。
マンションは主に以下2つの構造でできていますが、いずれも耐用年数は47年です。
コンクリートは木材よりもしっかりしているため、木造一戸建てに比べると耐用年数が長く設定されています。
中古マンションの耐用年数を求める際は、中古の木造一戸建てを購入したときと同様の計算式を用います。
たとえば、築20年の中古マンションを購入した場合、耐用年数は「(47年-20年)+20年×20%=31年」です。
木造一戸建てと比較すると、マンションのほうが資産価値が下がりにくいという特徴があります。
基本的に一戸建ては木造ですが、木造アパートは木骨モルタル造が採用されている場合があります。
木骨モルタル造の耐用年数は20年で、木造の一戸建てよりもさらに耐用年数が短い点が特徴です。
耐用年数が短いと資産価値の下落スピードが早いため、査定額も低くなる可能性があります。
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家や車などの固定資産は長期にわたって利用するため、一定の年数に分けて少しずつ必要経費として計上するのが基本です。
これを「減価償却」といい、減価償却をするために用いる会計上の勘定科目を「減価償却費」といいます。
この減価償却費は、建物ごとに定められた耐用年数を基準に計算します。
たとえば、耐用年数が22年の木造住宅を2,200万円で購入した場合、毎年100万円ずつ経費に算入して22年間で価値を下げるイメージです。
経費などと聞くと個人には関係ないと思われがちですが、耐用年数や減価償却はマイホームの売却時にも重要となります。
不動産売却で減価償却が必要となるのは、譲渡所得(利益)が生じて翌年に確定申告をおこなうときです。
不動産を売却して譲渡所得が発生した場合、譲渡所得税がかかるため確定申告が必要です。
まずは以下の計算式で譲渡所得が発生しているか確認してみましょう。
譲渡所得 = 収入金額 – (取得費 – 減価償却費) – 譲渡費用
取得費とは不動産を取得する際に要した費用のことで、譲渡費用を不動産を売却した際に要した費用をいいます。
取得費には不動産の購入代金も含まれますが、建物は経年劣化により価値が減少するため、新築時の価格をそのまま計上できません。
そこで、減少した価値の分を減価償却費として差し引き、正確な取得費を求める必要があるのです。
なお、上記の計算結果がプラスになった場合は確定申告が必要なので、書類などは早めに準備しておくことをおすすめします。
減価償却費の計算方法は、事業用途の不動産とマイホームで異なる点に注意が必要です。
ここでは、マイホームの減価償却について解説しましょう。
減価償却費の計算方法は2種類ありますが、一般的には「定額法」を用います。
定額法を使った減価償却費の計算方法は以下のとおりです。
減価償却費=建物部分の取得費 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
償却率とは「取得費用の何%までその年に経費算入して良いか」を示す割合です。
償却率は国税庁のホームページで確認できるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
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耐用年数には3つの種類がありますが、不動産においては法定耐用年数を用います。
耐用年数は減価償却費を計算する際に必要なので、しっかり理解を深めておきましょう。
なお、土地は経年劣化という概念がないため、減価償却が不要な点にご注意ください。
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