2023-07-18
親が認知症などを患い介護施設に入ったことで、実家が空き家になっているという方も多いのではないでしょうか。
本人の判断能力が低下すると不動産売却ができないため、相続開始まで実家は空き家のまま所有し続けることになります。
このような事態に備えて検討していただきたいのが「家族信託」です。
そこで今回は、実家が空き家になる原因や家族信託の内容、利用するメリットなどを解説します。
鹿児島市で不動産を相続する予定のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
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近年日本では、増え続ける空き家が大きな社会問題となっています。
総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、2018年の時点で空き家の数は1,000万戸を超えています。
なぜこんなにも空き家の数が増加しているのか、その原因から確認していきましょう。
空き家問題の大きな原因は、高齢者の増加にあります。
内閣府の調査によると、以下のように高齢者(65歳以上)のいる世帯は年々増加しています。
高齢になると体の不調が多くなり、入院や介護施設の入所を余儀なくされることもあるでしょう。
もし住む方がいなければ、実家は空き家のままとなってしまいます。
日本は少子高齢化が進んでいるため、今後空き家の数もさらに増えていくと予想できるでしょう。
相続時にトラブルになり、空き家のまま放置されるケースも多いです。
親が亡くなり相続が発生すると、相続人の間で遺産分割協議をおこないます。
その際に、実家を誰が相続するかで揉めてしまい、交渉が進まず放置されるケースも少なくありません。
意見がまとまらないまま時間が経過し、不動産が共有状態となってしまったら、売却する際は相続人全員の同意が必要になります。
誰か1人でも反対する方がいると売却ができないため、手続きができずに放置せざるを得なくなってしまうでしょう。
親が認知症を患い判断能力が低下すると、実家を売却することができなくなります。
代理人を立てて手続きを進めることは可能ですが、判断能力が低下してからでは、そもそも代理人を立てられません。
そのため、親が亡くなり相続が開始されるまでは、実家を空き家のまま所有するしかなくなってしまいます。
このように、認知症が原因で実家を売るに売られず、空き家となってしまうケースも少なくありません。
なお、親の判断能力が低下している状態で売買契約を締結した場合、その契約は無効となります。
一昔前までは、親の住んでいた実家を子どもが受け継ぐのが一般的でした。
しかし核家族が進む現代では、高齢の親だけが実家に住み続け、子どもは都心部で持ち家を購入するケースが増えています。
このような場合、一応相続したものの、遠方にあるなどの理由で管理をおこなえず、放置されることも多いです。
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空き家を放置すると危険?デメリットや売却方法を解説
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「家族信託」という言葉を聞くのがはじめてという方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、家族信託の制度内容と注意点を解説します。
家族信託とは、本人が財産を管理できなくなったときに備えて、財産を管理する権限を家族に与えておく制度です。
家族信託を結んでおけば、認知症で親の判断能力が低下しても、家族が代わりに実家を管理できます。
また、必要に応じて実家を売却または賃貸に出し、利益を親の介護費用に充てることも可能です。
家族信託は、おもに以下の3者で構成されます。
基本的には、親が委託者および受益者となり、子どもが受託者となります。
たとえば、離れて暮らす父親が認知症を患い、施設入居をきっかけに実家が空き家になったとしましょう。
父親の認知症が進み、判断能力がないと認められた場合、子どもが代わりに実家を売却することはできません。
しかし、父親が認知症になる前に信託契約を締結しておけば、受託者である子どもが実家を売却できるようになります。
家族信託は空き家対策に有効ですが、認知症を患い、判断能力が低下してからでは利用できない点に注意が必要です。
なぜなら、家族信託も「契約」を結ぶことで効力を発揮する制度だからです。
先述したように、判断能力が低下した方が契約を結んだ場合、その契約は無効となってしまいます。
実家が空き家になることが予想できる場合は、親と十分に話し合い、前向きに家族信託を検討しましょう。
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空き家の相続税はどうなる?相続税の計算方法や税金対策について解説
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家族信託は、親の認知症などにより実家が空き家になるのを防止するだけではありません。
そのほかにも、空き家対策として多くのメリットがあります。
自益信託で契約を締結すると、贈与税がかからないというメリットがあります。
自益信託とは「委託者=受益者」で設定された信託のことです。
たとえば父親が委託者兼受益者、子どもが受託者となる場合、自益信託に該当するため贈与税はかかりません。
ただし、委託者と受益者が異なる場合は、贈与とみなされ贈与税が課される可能性があります。
家族信託の大きなメリットは、受託者の意思だけで不動産を処分できることです。
親の判断能力が低下した場合の対処法として「成年後見制度」もありますが、自宅の売却時には家庭裁判所からの許可が必要です。
家庭裁判所から許可を得るには、申立書を記入したり、さまざまな添付書類を集めたりしなければなりません。
一方で家族信託はそのような手続きが不要で、受託者の判断で不動産を売却することができます。
早く売却できれば、実家が空き家状態になる期間も短縮できるため、トラブル防止にもつながるでしょう。
数世代先の財産承継まで指定することができる点も、家族信託のメリットです。
通常の相続では、原則として被相続人の意思を反映できるのは一次相続までです。
しかし家族信託においては、孫やひ孫の代まで財産移転の承継を指定することができます。
そのため、家の承継先がないことが原因で、実家が空き家として荒廃していく可能性は低くなります。
家族信託を結ぶと、受託者は財産の名義人となるため、財産を適切に管理する義務が生じます。
受託者として実家を任された場合は、たとえ遠方に住んでいるとしても、移動の手間を理由に管理を放棄することはできません。
受託者が途中で管理を投げ出すリスクが少ないため、親も安心して管理を任せることができるでしょう。
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家族信託を結んでおくことで、親が認知症になった場合も、子どもが代わりに実家を売却することができます。
ただし、認知症などによって判断能力が低下してしまうと、この制度は利用できません。
実家が空き家になると予想できる場合は、親が元気なうちによく話し合い、家族信託の利用を検討すると良いでしょう。
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