抵当権抹消の手続きをしないと生じるデメリットと手続き方法について解説

抵当権抹消の手続きをしないと生じるデメリットと手続き方法について解説

この記事のハイライト
●抵当権抹消登記とは登記簿上に記載された抵当権を抹消する手続きのこと
●抵当権抹消の手続きをしないまま放置すると売却や相続がスムーズに進まない恐れがある
●抵当権抹消登記は管轄の法務局で申請する

住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、そのマイホームには「抵当権」が設定されます。
そして、マイホームを売却する際には、住宅ローンを完済したのち、抵当権抹消の手続きが必要です。
そこで今回は、抵当権抹消とはなにか、手続きをしないと生じるデメリットや手続きの流れについて解説します。
鹿児島市でマイホームをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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抵当権抹消の手続きとは

抵当権抹消の手続きとは

まずは、「抵当権とはなにか」といった基礎知識から確認しておきましょう。

抵当権とは

抵当権とは、金融機関が住宅ローンを融資する際に、対象の不動産を担保とする権利のことです。
不動産に抵当権を設定する目的は、債務者(住宅ローンの契約者)が返済を滞納した場合に、裁判所に申し立てて不動産を競売にかけ、債権を回収するためです。
抵当権は、住宅ローンを組む際にマイホームに設定され、不動産登記簿にも記録されます。

抵当権抹消登記とは

抵当権は、住宅ローンを完済することで抹消できます。
しかし、住宅ローンを完済したことが、自動的に登記簿からも抹消されるわけではありません。
つまり、住宅ローンを完済したのち、自分で申請しなければならないのです。
これを「抵当権抹消登記」といいます。
抵当権抹消登記をしないと、住宅ローンは完済していても、登記簿上の記録は残ったままです。
のちほど解説しますが、抵当権が残っていると、さまざまなデメリットが生じます。
したがって、住宅ローンを完済したら、抵当権抹消登記をおこなう必要があることを、頭に入れておきましょう。

抵当権抹消の手続きをおこなうタイミング

先述のとおり、マイホームに設定された抵当権は、住宅ローンを完済すれば抹消されます。
そして、しばらくすると、抵当権抹消登記に必要な書類が、金融機関から送られてきます。
抵当権抹消登記には、いつまでに手続きしなければならない、という期限は定められていません。
しかし、手続きをしないと、さまざまなデメリットが生じます。
したがって、住宅ローンを完済したタイミングで、抵当権抹消の手続きをおこなっておくようにしましょう。

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抵当権抹消の手続きをしないと生じるデメリット

抵当権抹消の手続きをしないと生じるデメリット

抵当権抹消の手続きをしないまま放置すると、さまざまなデメリットが生じることを前章で解説しましたが、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか。
そこで次に、3つのケースを挙げて、起こり得るデメリットについて解説します。

不動産を売却する場合

不動産を売却する際、不動産の所有者や権利関係を確認するために、登記簿を提出する必要があります。
抵当権を抹消せず、登記簿に記載されたままにしておくと、不動産を売却しにくくなります。
なぜなら、抵当権は、その不動産が担保に取られていることを意味し、不動産が差し押さえられる恐れがあるためです。
住宅ローンを完済していても、登記簿に抵当権の記載があると、買主はその不動産の購入に不安を感じます。
不安要素のある不動産をすすんで購入する買主はほぼいません。
したがって、抵当権抹消手続きをしないままだと不動産の売却は困難になる可能性が高いです。

新たにローンを組む場合

不動産を担保にして、新たにローンを組む場合も、抵当権が付いていることで融資を受けにくくなります。
ローンを組む際には、金融機関の審査にとおらなければなりません。
抵当権が付いたままの不動産を担保にして融資を申し込んでも、金融機関の審査にとおらない可能性があるのです。
住宅ローンを完済していたとしても、それを証明するための調査に時間がかかり、審査がスムーズに進みません。
急にお金が必要になり、ローンを組みたいと思っても、抵当権抹消の手続きを怠っていたことで、必要なときに融資を受けられない可能性があるのです。

相続が発生した場合

不動産の相続が発生した場合は、まず、被相続人から相続人に名義を変更する「相続登記」が必要です。
そのあと、抵当権抹消登記をおこなう流れになりますが、複数人の名義で相続登記をした場合、全員で手続きをしなければなりません。
名義人全員の必要書類を揃える必要があり、遠方に住んでいる相続人がいる場合は、郵送でのやりとりになり、手間と時間がかかります。
また、住宅ローンが残っている場合、被相続人が団体信用生命保険に加入していれば返済は免除されますが、加入していない場合は、相続人に返済の義務があります。
相続する資産より住宅ローンの残債が多い場合は、相続放棄も検討しなければならないでしょう。
そのような事態を防ぐために、住宅ローンが残っている場合は、完済して抵当権抹消の手続きをしておく必要があるのです。
なお、抵当権抹消の手続きに期限はありませんが、金融機関から送られてくる書類に有効期限が設けられている場合があります。
有効期限が切れてしまったり、書類自体を紛失した場合、金融機関に申請して再発行してもらわなければなりません。
再発行にはある程度時間がかかるため、売却や相続手続きの際に、必要書類が揃わなくなる恐れがあります。
このように、抵当権抹消の手続きをしないままにしておくと、売却や相続、また融資を受ける場合に、スムーズに手続きが進みません。
したがって、住宅ローンを完済したあとは、速やかに抵当権抹消の手続きをおこなうことが大切です。

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抵当権抹消の手続きをおこなう際の流れ

抵当権抹消の手続きをおこなう際の流れ

抵当権抹消手続きをおこなうにあたって、どのような流れで進めれば良いか、事前に知っておくと手続きがスムーズにおこなえます。
そこで最後に、抵当権抹消の手続きの流れについて解説します。
住宅ローンを完済したら、以下のような流れで進めましょう。

書類を準備する

抵当権抹消の手続きには、以下のような書類が必要です。

  • 登記申請書
  • 登記済証または登記識別情報
  • 弁済証書
  • 抵当権抹消の委任状

登記申請書は、法務局で取得できます。
登記済証または登記識別情報、弁済証書、抵当権抹消の委任状は、住宅ローンを完済すると、金融機関から送られてくる書類です。

管轄の法務局がどこなのか調べる

抵当権抹消登記は、どこの法務局でも可能というわけではなく、管轄の法務局で申請しなければなりません。
管轄の法務局とは、抵当権が設定されている不動産の所在地を管轄する法務局です。
どこの法務局が管轄しているかは、法務局のホームページで確認できます。

登記申請書を作成する

登記申請書は、法務局で取得する、もしくは、法務局のホームページからダウンロードすることも可能です。
登記申請書に、抵当権抹消の原因、権利者、義務者、申請日、添付情報、登録免許税の額などを記入して、書類を完成させます。
記載例もダウンロードできるため、参考にしながら作成すると良いでしょう。

法務局に書類を提出する

必要書類が揃ったら、管轄の法務局の窓口へ直接持って行く、郵送、オンラインのいずれかの方法で申請します。
そのあと、法務局に提出した書類の審査がおこなわれ、問題が無ければ登記完了証が発行されます。
審査が完了するまでに、1週間~2週間程度かかるのが一般的です。
登記完了証を受け取りに行く際には、申請するときに使用した印鑑や、本人確認書類が必要であるため、忘れずに持参しましょう。

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まとめ

抵当権とは、住宅ローンを組んだ際に設定される、いわば「担保」のことです。
抵当権は、住宅ローンを完済すると抹消されますが、登記簿上の抵当権は自動的に消えないため、抵当権抹消の手続きをおこなう必要があります。
抵当権が付いたままの不動産は、売却しにくかったり、相続手続きに時間がかかったりするため、住宅ローンを完済したら同時に手続きすることをおすすめします。


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