相続欠格とは?相続廃除との違いについても解説

2025-03-28

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相続欠格とは?相続廃除との違いについても解説

この記事のハイライト
●相続欠格とは悪いことをおこなった方が相続人としての立場を失ったり財産を取得する権利を剥奪されたりすること
●適用された場合は相続・遺贈を受ける権利がなくなったり遺産分割のやり直しが必要になったりする
●相続廃除とは亡くなった方の意思によって財産を取得する権利を剥奪すること

相続の発生時、なんらかの事情によって財産を取得する権利を失うケースがあります。
その一つが、相続欠格というものです。
簡単に適用されるケースは少ないものの、問題となる可能性はゼロではありません。
今回は相続欠格とはなにか、該当した場合どうなるのか、相続廃除とはなにが違うのかついて解説します。
鹿児島市で不動産相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。

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相続欠格とはどのようなもの?

相続欠格とはどのようなもの?

まずは、相続欠格とはどのようなものなのかについて解説します。

どのような制度?

相続欠格とは、悪いことをおこなった方が相続人としての立場を失ったり、財産を取得する権利を剥奪されたりすることです。
適用された方は、遺言書に記載されている財産の取り分や、遺留分についても取得できなくなります。
自動的に適用されることになるので、特別な手続きは原則不要です。
また、一度適用された場合、相続権を取り戻すことは基本的にできません。

適用される5つの事由とは?

民法891条において、相続欠格となる事由は下記の5つとなります。

  • 財産を所有している方を殺害したり殺害しようとしたりした場合
  • 財産を所有している方が殺害されたことを知っていながら、告発や告訴をしなかった場合
  • 詐欺や脅迫によって遺言の撤回や取り消し、変更を妨げた場合
  • 詐欺や脅迫によって、遺言の内容を変更させたり撤回させたりした場合
  • 遺言書を偽造したり破棄したり、隠蔽したりした場合

被相続人を殺害したり、死亡させようとしたりした場合、財産を取得する権利を失います。
介護が必要なのに食べ物を与えなかったり、財産を多く取得したいがゆえに兄弟や姉妹を殺害したりするケースも同様です。
財産を所有している方が殺害されたことを知っていながら、犯人をかばうために、告発や告訴をしなかった場合も、欠格事由に該当します。
ただし、判断能力が不十分な精神疾患者や、幼い子どもが告発・告訴しなかった場合は、欠格事由に該当しません。
また、詐欺や脅迫によって遺言の撤回や変更、取り消しをさせた場合や、それを妨げた場合、欠格事由に当てはまります。
自分にとって有利な内容の遺言書で、その変更や撤回を阻止すると、財産を取得する権利を失ってしまうでしょう。
欠格事由としてもっとも多いのが、5番目の事由です。
「この内容は自分に不利だ!」と考え、自分で遺言書を作成し直したり破棄したりするケースがあります。
このように、5つの事由はすべて法律に違反するような行為です。
素行の悪さではなく、不正に財産を取得しようとするための行動が該当します。

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相続欠格になるとどうなるのか?

相続欠格になるとどうなるのか?

続いて、相続欠格になるとどうなるのかについて解説します。

相続欠格になるとどうなるのか1:相続・遺贈を受ける権利がなくなる

まず、どうなるのかというと、相続・遺贈を受ける権利がなくなります。
この制度は、欠格事由が起きたときに、効果が発揮されるものです。
特別な手続きは不要で、亡くなった方が欠格することに反対していても、その瞬間に相続権を失うことになります。
相続開始後に欠格事由に該当した場合は、相続発生時にさかのぼって、相続権がなくなるということです。
そのため、いくら遺言書に財産を受け取れることが記載されていても、継承することができなくなります。

相続欠格になるとどうなるのか2:子どもがいる場合は代襲相続人となる

欠格事由に該当し、子どもがいる場合はどうなるのかというと、その子どもが代襲相続人となります。
相続欠格となった方に子どもがいれば、子どもは財産を取得することが可能です。
代襲相続は、亡くなった方の子どもと、兄弟や姉妹に認められています。
相続人の子ども(亡くなった方から見て孫や甥、姪)が、代わりに土地や建物といった財産を取得できるというものです。

相続欠格になるとどうなるのか3:遺留分も取得できない

遺留分を取得できないことにも、注意する必要があります。
遺留分とは、法定相続人に対して認められている「最低これだけは、財産を取得できますよ」という権利のことです。
たとえば遺言書に「すべての財産を長男に取得させる!」という内容が記載されていた場合、ほかの方は財産をなにも受け取れなくなってしまいます。
遺留分請求によって、最低限の財産を取得することが可能です。
しかし、相続欠格となってしまった場合、遺留分さえも受け取ることができません。
遺留分も手に入らなければ、日々の生活に支障が出てしまうでしょう。

相続欠格になるとどうなるのか4:別の方の相続権は失わない

財産を取得できる権利を失うのは、特定の被相続人に対してとなります。
たとえば、父親の財産を受け取る権利を失ったとしても、母親の財産は受け取ることが可能です。
別の方の相続権は失わないので、基本的には通常どおりに遺産分割をおこなうことになります。

相続欠格になるとどうなるのか5:遺産分割が完了している場合は手続きをやり直す必要がある

遺産分割が完了している場合、手続きをやり直す必要があります。
相続欠格となった場合、最初から財産を取得する権利がなかった方として扱うことになります。
財産の取得割合や方法について、一からやり直すことになるので、手間や時間がかかるでしょう。

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相続欠格と相続廃除の違い

相続欠格と相続廃除の違い

最後に、相続廃除とは何が違うのかについて解説します。

相続廃除とは?

相続廃除とは、亡くなった方の意思によって、財産を取得する権利を失うことです。
先述のとおり、相続欠格は特別な手続きは不要で、亡くなった方の気持ちに関係なく自動的に効力が発揮します。
そのため、財産を所有している方が欠格することに反対していても、土地や建物といった財産を取得する権利を失うことになるのです。
その反面、相続廃除は亡くなった方の意思に基づいて、手続きがおこなわれます。
「長女には財産を渡したくない!」「次女の財産を取得する権利をなくしたい…」という気持ちがある場合、有効的な手段となるでしょう。
また、相続廃除は取り消しが可能なところも、大きな違いとなります。

適用条件

相続廃除の適用条件は、下記の3つです。

  • 亡くなった方に対して暴力をしたり耐え難い精神的苦痛を与えたりした場合(虐待)
  • 亡くなった方の名誉や感情を著しく害した場合(重大な侮辱)
  • 虐待や重大な侮辱に該当しないが、犯罪や不貞行為、財産の浪費といったそれに似た行為をおこなった場合(著しい非行)

亡くなった方に対して悪い行為をおこなった場合、適用される可能性があります。
上記の意思表示は、生前や遺言にておこなうことが可能です。
どちらも家庭裁判所の審判が確定したタイミングで、適用されることになります。

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まとめ

相続欠格とは、相続人としての立場を失ったり、財産を取得する権利を剥奪されたりすることで、5つの事由に該当した場合に適用されます。
適用された場合は、相続・遺贈を受ける権利がなくなったり、遺産分割のやり直しが必要になったりすることに注意が必要ですが、代襲相続は可能です。
相続廃除とは、亡くなった方の意思によって財産を取得する権利を剥奪することで、亡くなった方に対して虐待や著しい非行などをおこなった場合に、適用されることになります。

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