2025-01-21
認知症・知的障がい・精神障がいなどで判断能力が低下した方の権利や財産を守り生活を支援するために、法律面で支えているのが成年後見制度です。
そして、成年後見制度には「任意後見」と「法定後見」の2つがあります。
今回は、不動産を相続する予定がある方に向けて、任意後見と法定後見の違いについて、始め方と権限の観点から解説します。
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任意後見は判断力があるうちに後見契約を結ぶ制度である一方、法定後見とは判断力が低下した方の法的権利を守るための制度です。
したがって、任意後見と法定後見の始め方には、判断力が衰える前から始めるか衰えてから始めるかの違いがあります。
また、任意後見の場合は、本人が自分の判断力が低下したときに備えて、後見人を選んで任せる範囲も自分で決められます。
その一方で、法的後見は、判断力が低下してから本人や心配した親族からの申し立てで始まることがほとんどです。
そのため、任意後見では本人の意思が比較的反映されやすくなっていますが、法定後見では本人の意思反映は難しくなります。
なお、任意後見に法的な分類はありませんが、形態の種類には「将来型」「移行型」「即効型」があり、それぞれ開始のタイミングが異なります。
本人と将来の後見人との間で公正証書による契約を締結し、発動されたら任意後見監督人も付けなければなりません。
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任意後見と法定後見は、その始め方と同様に権限にも違いがあります。
まず、法定後見では認められている取消権が、任意後見では認められていません。
取消権とは、判断力が低下した被後見人が結んだ契約を取り消せる権限です。
認知症や障がいの程度によっては、任意後見から法定後見へ移行させなければならないケースもあります。
また、任意後見人には、任意後見契約の契約書に記載された代理権しかありません。
権限の設定自体は自由ですが、実際に始まってからの代理権の付け足しは不可能です。
したがって、契約していない代理権が必要になれば、法定後見も視野に入れる必要があります。
さらに、相続税対策や資産運用は、法定後見の後見人には認められていません。
しかし、任意後見であれば、契約書に記載された内容が本人の意思であるため、後見人でも相続税対策や資産運用が可能です。
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任意後見と法定後見では、始め方と後見人がもつ権限に違いがあります。
本人の判断力が残されているうちに契約を結ぶのが任意後見であり、判断力が衰えてから始めるのが法定後見です。
権限にも違いがあり、任意後見の後見人には取消権がなく、代理権も契約書に記載された範囲のみです。
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