2026-02-28

親が亡くなった後も、相続した不動産の名義が故人のままになっていませんか。
登記簿を確認してみると、何年も前の名義がそのまま残っているケースは珍しくありません。
しかし、2024年4月から相続登記は義務となり、相続したことを知った日から3年以内に申請することになり、正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料が科されてしまいます。
そこで本記事では、相続登記未了の基本から売却までの流れ、費用や期間の目安までを順を追って整理します。

まず、相続登記未了とは、亡くなった方の名義が登記簿に残ったままの状態を指します。
つまり、法律上の権利関係が整理されていない状況です。
この状態でも固定資産税の納付通知は届きます。
しかしながら、名義が故人のままでは、正式な所有者として手続きを進めることができません。そのため、売却や決済の場面では相続登記が前提となります。
相続登記義務化の背景には「所有者不明土地」の増加があります。
所有者が不明の土地のせいで、公共事業や災害復旧に支障が生じるという社会問題を解決するため、義務化が決定したのです。
なお、施行前に発生した相続については2027年3月31日までの猶予期間が設けられており、期限内に対応すれば過料の対象にはなりません。
▶東京法務局「相続登記が義務化されました」(2026年2月21日参照)

相続登記未了の状態でも、売買契約そのものを結ぶことは可能ですが、契約を交わしただけでは取引は完了しません。
なぜなら、決済の場面では、所有権を正式に移転する手続きが必要になるからです。登記が完了しなければ、買主は法律上の所有者として権利を主張することができません。
そのため、不動産を売却する際はまず相続登記を済ませ、そのうえで買主へ所有権を移転する流れが一般的です。
売却を進めるためには、まず現状を把握します。
まずは、登記簿の名義人や相続関係を確認することから始めましょう。
| ステップ | 内容 | 依頼先・注意点 |
|---|---|---|
| 1.現状確認 | 登記簿の名義人や相続関係を確認 | 法務局で取得可能 |
| 2.表題部登記 | 建物情報が未登録の場合に必要 | 土地家屋調査士へ依頼 |
| 3.相続登記 | 故人から相続人へ名義変更 | 司法書士へ依頼が一般的 |
| 4.売買契約・決済 | 名義整理後に所有権移転 | 金融機関手続きも並行 |
名義が整えば、売却や買取の交渉が具体化します。
そのため、早い段階で登記の準備に着手することが大切です。

数次相続とは、相続登記を行わないまま、相続人の一人が亡くなり、さらに相続が重なってしまう状態を指します。
例えば、親が亡くなったあと名義変更をしないまま、その子どもの一人も亡くなった場合、親の相続人に加えて、その亡くなった子どもの相続人も関係者になります。
このように数次相続により、関係者が増えると必要な戸籍の範囲が広がるだけでなく、全員の合意を得るための調整も必要になります。その結果、手続きにかかる時間が延び、費用も増える傾向があります。
相続登記未了を放置すると、いくつかの具体的な不利益が生じます。
単に「名義が変わっていない」という状態ではなく、将来の売却や資産整理に直結する問題です。
| 主なリスク | 具体例 | 影響 |
|---|---|---|
| 過料の可能性 | 期限超過 | 最大10万円 |
| 権利関係の複雑化 | 相続人多数 | 手続き長期化 |
| 売却の停滞 | 名義未整理 | 買取交渉に支障 |
空き家を長期間放置すると管理責任が問われる可能性もあります。建物の老朽化や近隣トラブルが発生すれば、相続人同士で意見が対立する事態に発展するかもしれません。

相続登記には、登録免許税、専門家への報酬、そして書類取得の実費がかかります。
それぞれの内訳を整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 課税標準額×0.4% | 数万円~ |
| 司法書士報酬 | 基本報酬+加算 | 5万円~15万円程度 |
| 実費 | 戸籍取得等 | 数千円~ |
▶国税庁「登録免許税の税額表」(2026年2月21日参照)
相続登記にかかる費用はケースによって差があります。
そのため、売却を検討している段階で見積りを取り、全体像を把握しておくと資金計画が立てやすくなります。
相続登記にかかる一般的な時間は、書類収集から登記完了まで合わせて約1〜3か月前後となっています。
一方で、数次相続や相続人多数のケースでは戸籍の取り寄せや連絡調整に時間を要するため、数か月以上かかることもあります。
そのため、相続した売却や買取を視野に入れている場合は、余裕をもって準備を始めると手続きが円滑になるでしょう。
相続登記は2024年4月から義務となり、相続を知った日から3年以内の申請が求められています。
相続したのに名義が故人のままになっている不動産を放置していると、10万円の過料の対象となる可能性があるだけでなく、相続関係が複雑になる恐れもあります。
まずは登記簿を確認し、現在の名義がどうなっているかを把握することが出発点です。義務化をきっかけに状況を整理しておけば、売却を含めた今後の選択肢を落ち着いて検討できるでしょう。
部署:不動産営業課
西紫原小学校卒⇒西紫原中学校卒⇒鹿児島商業高卒
⇒鹿児島国際大学経済学部経済学課卒
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