相続放棄で不動産は手放せる?保存義務と売却方法を解説!

2026-07-30

相続放棄で不動産は手放せる?保存義務と売却方法を解説!

相続放棄が受理されると、その相続について初めから相続人ではなかったものと扱われます。ただし、放棄時に不動産を現に占有していた人は、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務を負います。

相続放棄は不動産だけを選んで行えず、預貯金などの資産と借金などの負債をまとめて放棄する制度です。原則3か月以内に判断するため、財産調査と不動産査定を早めに進めましょう。

保存義務は引き渡しまで 判断は原則3か月以内

この記事で分かること

  • 相続放棄は相続全体を放棄する制度で、自分が相続人になったことを知った時から原則3か月以内に申述します。
  • 保存義務が残るのは、放棄時に相続不動産を現に占有していた人に限られます。
  • 価格重視なら仲介売却、期間や手間を抑えたいなら直接買取を検討できます。ただし、放棄を検討中は査定にとどめます。

目次FAQ

Q1

相続放棄すれば、不動産の責任はゼロになる?放置するとどうなる?

A

不動産を現に占有していた場合は、引き渡しまで保存義務が残ります。放置すると、行政による指導や勧告などの対象になる可能性もあります。

→ 詳しくは「相続放棄後の保存義務と放置した場合のリスク」へ
Q2

相続放棄以外に不動産を手放す方法はある?

A

相続後に、仲介売却または直接買取を選べます。

→ 詳しくは「相続放棄以外に不動産を手放す売却と直接買取」へ
Q3

相続放棄を決断する前に何をすればよい?

A

期限、財産全体、査定価格を確認し、専門家と相続方法を比較します。

→ 詳しくは「相続放棄を決める前に買取可否を相談する手順」へ

保存義務とリスク

相続放棄後の保存義務と
放置した場合のリスク

保存義務が残るのは、放棄時に相続不動産を現に占有していた場合だけです。相続放棄は相続人としての地位をすべて放棄する手続きで、不動産だけを選んで手放すことはできません。

保存義務が残るケース

民法第940条により、現に占有する財産は、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存します。占有の有無は、居住状況や鍵の管理など個別事情で判断されます。先順位者が放棄すると、後順位の親族が相続人になる場合もあります。

相続放棄と保存義務の整理

確認項目 原則
放棄できる財産相続全体
申述期限自分が相続人になったことを知った時から3か月以内
保存義務が生じる人現に占有する放棄者
保存義務の終了相続人などへの引き渡し
清算人選任の費用印紙800円、郵便料、官報公告料5,582円

手続き上の注意

全員が放棄しても、相続財産清算人は自動で選ばれません。利害関係人などが家庭裁判所へ申し立てます。調査が終わらない場合は、期間満了前に熟慮期間の伸長を申し立てましょう。

放置した場合のトラブルと賠償リスク

不動産を放置すると、第三者への被害と空家法に基づく行政措置が問題になります。管理不全空家とは、放置すれば特定空家になるおそれがある空き家です。

想定される被害

屋根材の飛散 建物や塀の倒壊 害虫・害獣 不法侵入 火災

建物の設置・保存に問題があり損害が生じると、占有者や所有者が賠償責任を問われる可能性があります。ただし、相続放棄者の責任は占有状況や事故原因によって異なります。

空家法に基づく主な措置

管理不全空家

指導 勧告

特定空家

助言・指導 勧告 命令 行政代執行

命令や行政代執行は直ちに行われず、原則として段階を経ます。代執行費用が義務者へ請求される場合もあります。

管理不全空家がさらに悪化し、特定空家に該当すると判断された場合は、特定空家に対する措置の対象となる可能性があります。勧告を受けると住宅用地特例が適用されなくなる可能性があります。

引き渡しまで保存義務がある場合に検討すること

巡回 施錠 危険箇所の応急措置 近隣への連絡先共有

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手放す方法の比較

相続放棄以外に
不動産を手放す売却と直接買取

売却価値がある不動産は、相続後に仲介売却または直接買取で手放せます。仲介売却は不動産会社が一般の買主を探す方法、直接買取は不動産会社が買主になる方法です。

仲介売却と直接買取の比較

仲介売却と直接買取の比較

比較項目 仲介売却 直接買取 確認事項
買主個人・投資家など不動産会社需要と状態
売却期間読みにくい短縮しやすい査定時に確認
価格の傾向高い可能性低い傾向手取り額で比較
残置物・修繕対応が必要な場合あり会社ごとに異なる契約条件
内覧対応複数回の可能性抑えやすい引渡条件
向いている人価格重視期間・手間重視優先順位

老朽化した建物でも、価格や立地、再建築の可否、土地需要によっては買主が見つかります。直接買取は再販売費や修繕費を見込むため、仲介より価格が低い傾向です。

比較の軸になる手取り額の考え方

売却で得る金額

売却価格

差し引かれる費用

残置物処分費・修繕費・仲介手数料・売却までの税金や管理費

比較すべき数字

手取り額

契約不適合責任などの扱いも契約条件によって異なります。

売却前に確認すること

まず確定させる

相続関係の確定と相続登記

売却にあたっては相続関係を確定し、原則として相続登記を行います。

2つの進め方

共同相続人がいる場合

遺産分割で取得者を決める方法のほか、相続人全員の合意により共有状態で売却する方法もあります。

放棄を検討中は
査定にとどめる

売買契約、家財処分、解体などは法定単純承認に当たる可能性があるため、実行前に弁護士などへ確認しましょう。

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判断までの進め方

相続放棄を決める前に
買取可否を相談する手順

財産全体の調査と不動産査定を並行し、3か月以内に相続する場合と放棄する場合を比較します。期限、財産全体、査定価格を確認したうえで、専門家と相続方法を比べることが判断の軸になります。

申述期限の目安

3か月

自分が相続人になったことを知った時から

判断までの6ステップ

1

元の所有者の死亡日と、自分が相続人になったことを知った日を確認する

2

預貯金、有価証券、不動産、借金、保証債務、未払い税金を調べる

3

登記事項証明書、納税通知書、公図、測量図、建築関係書類を整理する

4

仲介査定と買取査定で価格・期間・残置物対応・費用を確認する

5

弁護士、司法書士、税理士へ共有し、相続、限定承認、相続放棄を比較する

6

相続すると決めた後に、遺産分割、相続登記、売却を進める

用語

限定承認

相続によって得た財産の範囲内で被相続人の債務を引き継ぐ方法です。原則として3か月以内に家庭裁判所へ申述し、共同相続人がいる場合は、相続放棄をした人を除く全員で共同して手続きを行う必要があります。

査定時に伝えること

雨漏り 傾き 事故・孤独死 境界問題 共有状態 残置物

不動産に価値があっても多額の債務があれば、法律専門家へ相談してください。不動産会社は価格や売却方法を提案し、相続放棄の法的判断は弁護士などが行います。

使う予定のない相続不動産でも、相続放棄を決める前に査定を受ければ、現状のまま売却できる可能性や想定される手取り額を確認できます。

チェックリスト

  • 3か月の期限
  • 資産と負債
  • 不動産資料
  • 仲介査定
  • 買取査定
  • 専門家への確認

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この記事の結論

まとめ

相続放棄は、資産と負債をまとめて放棄する手続き。

保存義務は、放棄時に不動産を現に占有していた人が引き渡しまで負う。

査定結果と相続全体を専門家へ共有してから判断。

相続放棄は不要な不動産だけを選んで行うことができず、3か月の期限や保存義務についても確認が必要です。老朽化や残置物がある不動産でも、査定を受ければ仲介売却と直接買取のどちらが適しているか、想定される価格や手間を比較できます。

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